英語を使って、薬剤師の仕事をしたい...!!
私が薬学生であった頃より、周りで少なからずこのような声を聞いてきた。
「私将来、英語を使って薬剤師の仕事したいんです!」
「英語使ってる人、カッコイイですよね!」
「英語使ってるときって、なんかワクワクするんです!」
なんていう動機から、そのように思うみたいだ。
薬剤師、6年制薬学生と多く接点を持ってきた大学院生という視点から、この辺について思うところを書いてみたい。
薬剤師×国際=??
まず、薬剤師×国際 という掛け算からイメージ(←あくまでも、イメージ!)される職業をパッと思いつく限り列挙してみよう。
WHO、国連、国境なき医師団、JICA、UNESCO、FIP...
(これ、医者じゃね?っていうツッコミがあるかもしれない。でも、結局医者がいるっていうことは、薬も出さないといけないわけで、薬剤師も少なからずその周辺の仕事に関与することになるんですよね。)
さてさて、ここで挙げたような職業、とりわけWHO、国連で働いてる!
なんていうと本当にかっこいい(イメージ)...!!
なんていうと本当にかっこいい(イメージ)...!!
世界をまたにかけて働く仕事人として、まさにキラキラしていそう。
世界をまたにかけて働く薬剤師って...あれ?
ここまで述べてきた点は、以下2点。
・国際職に憧れる薬学生は多い(少なくとも筆者のコミュニティ)。
・選択肢としてWHO、国連など、まさにかっこいい職業もある。
ところが、自分の周りに国連とかWHOとかで働いている薬剤師って、、全然いない!
どうしてなんだ...!!?
どうしてなんだ...!!?
自分がパッと考えられるのは次の5点
1.筆者のコミュニティが小さすぎて国際的に活躍している薬剤師を知らない
2.学生時代に憧れはするものの実務が厳しかったり私生活との兼ね合いを考えて断念する
3.そもそも狭き門で、その職の絶対数が少ない
4.学生が2.にあげたような固定観念を抱いてしまっており、調査前に断念
5.筆者のコミュニティにバイアスがある(実は国際職を目指す人はそんなに多くない)
他にもいろいろ出てきそうだけどとりあえずこのくらいにして、、
筆者が今日、ものを言いたいのは2.で悩んでいる学生に対して!
新たな選択肢、《国内留学》
ベストオブ、キラキラ系国際職(WHO、国連など)。
たしかに狭き門で難しい職業かもしれない。
だけど、英語を使う仕事ってそれだけじゃないんですよね。
例えば、筆者は'国内留学'という選択肢で国際色バリバリで大学院生をしている。
僭越ながら、少しばかり筆者の英語との関わりについて、紹介しよう。
・京都の大学院に通う(日本人:留学生 = 1:1)
・研究室や共同研究先での公用語は英語
・読む学術論文は当然全て英語
・ラボミーティング、学会での発表も英語
・授業は半分日本語、半分英語
こんな感じで、日常でとっても英語を使っています。
英語を使わない日はない、というか、英語を使えないと仕事も研究も進められない感じです。
だから、冒頭で言ってた言葉、
「私、英語使って将来なんか仕事したいんです!」
「英語を使っているときって、カッコイイですよね!」
「英語使ってる時って、なんかワクワクするんです!」
こういうのは正直、戯言でしかないというと言い過ぎですかね。。
いずれにせよ、 グローバル化が進んでるっていうのは現にここまで来てるわけです。
大学院レベルでさえ。
薬剤師も、国内留学の時代
ということで、製薬会社を志望する薬学生のあなた、
日本の製薬会社入ったとしても、もっと英語英語してるはずです。
私は薬局志望だから国内では英語使う機会がない?
そんなことはありません。
現に、アイングループでは、「英語対応薬局」なんてのを構えております。
(2年くらい前からだったかと思います。)
京都では、外国人観光客の数はものすごい数ですし、
一時的とはいえ、4年後の2020年には東京オリンピックで来日外国人数は増えるはず。
英語を使いたい!って思っている学生さん、、
今や国内留学の時代ですよ。
今や国内留学の時代ですよ。
日本にいても全然、英語使えます!
逆に言うと...英語使えないとやばい時代
国内留学っていうと、聞こえはかっこいい。
ですがしかし、実は今まで述べてきたことが暗に示唆していることは、
日本国内であってさえも、
英語を使えないと生きていけない時代が目の前にきているということです。
(たぶん。)
長々と書いてきましたが、
何が言いたかったかって、批判覚悟で申し上げますと、
「英語使えるとかっこいい」とか
「英語使ってるオレ、イケてる」とか、
「英語使って仕事したいんです」とか、
「英語を使って何をするかを考えたい」とか、
そういうのって、もう時代遅れじゃね?っていうことです。
世界を舞台に価値を創造していく人財になりたいのであれば、そういうのって、もはや当然の領域で、なんのアドバンテージにもならないと思います。
グローバルに働くことを意識しているのであれば、このあたりを強く意識していただきたい。自戒も込めて。