2022年1月3日月曜日

2022年やりたいことリスト26: 寅年の1年は大きく飛躍するぞ.

2022やりたいことリスト26


2022年、寅年は僕にとっては12年に一回やってくる、最高の年だそうで。
この1年の間に、大きく飛躍することで人生の中でも最も大事な時間の過ごし方が決まってくるのだと個人的には、年始からかなり気合が入っております。

では早速、内省とともに恒例になっている「やりたいことリスト」の公開. 
いつも徒然なるままに箇条書きにしていってやりたいことリストができるわけですが、今年は26個でした。去年よりも8個も少ない!




2022年1月2日日曜日

内省:2021やりたいこと34の振り返り

2021やりたいことリストの振り返り


あけましておめでとうございます!
毎年このブログの幕開けは、昨年の僕のやりたいことリストの振り返りから始まります. 

この年末は高校生の時に使っていたノートたちを断捨離するところから始まりました.

高校生の時に書き散らしたノートたち


毎年、年の瀬・新年に自分のことを振り返る時間は減っていく一方ですけど、必ずこれをやる時間だけは確保したいなと思いながら, なんとか今年も1月2日、筆を取ることができました. 2021年は2週間に1回、自分の「キャリアの棚卸し」と題して、内省ノートをつけていたのですがこれをやっていて本当に良かった. 年末年始の整理ごとがかなり減りました。


それでは, 2021のやりたいことリストの振り返りです。
2021の自分は34個のやりたいことリストを作っていて(次の項に羅列)、そのうち達成したものを斜線で引いてみました。全部で12-13個くらい達成. 達成率35%というところ. まずまず?


振り返り全体所感



振り返りの全体所感として…(当然のことかもですが思ったことをメモ)
・やりたいことはその時々で変わるから必ずしも達成しなくても良かったものが含まれている
・社会や周りの環境も、時間を経ると当然変わっていくから、達成できなくなるものや達成しなくてもよくなるものもやはり出てくる
 → 3, 5, 7, 11, (18)あたり

・以上を見直した時、達成率は40%くらい.
・一方、達成すべきなのに達成できなかったものもある
→ 2, 4, 9, 12, 14, 16, 19, 31, 33あたり

・これらを見ていると、毎年80-90%の達成を目指して、結果60-70%くらいが達成できると良いだろう。

以下から各論的に、達成できたかどうかを振り返ります(未達のもののみ)
*繰り返しますが斜線は達成済み!です!

1. 博士になる. 
2. 学位論文以外に国際論文3報出す(うち1報ファースト).
→ 共著で大きな論文が1つ出ました. Firstで1個、新入研究室で出すつもりで入ったものの、そんなに現実は甘くなかった… 現在再現性出すのに苦労しています。 もう一つ、博士学生のお手伝いしている関係で論文が共著で出ると思われる(1−2年後かもだけど)。この布石を打つことができたのはgood. 

3. 探究学習関連で論文(ショートレター とかもok)を2報出す.
→1つはpendingされていたものを出そうと思っていたけれど、どこもReject食らってしまった、もうレポートにしかならないなぁという感じで…
もう一個はPJTとして友人とやっていたやつがあったのだけれど、それもお互いが忙しくてpendingになってしまった。高校生への教育系はまたいつか長い目でいいからやりたいと思っている。

4. データサイエンス研究(薬剤師の職能関連)で論文1報出す.
→これは△。(職能じゃないけれど、)submitまでこぎつけられたのがある。
一方、やってた職能系のやつはpendingになってしまっている。またどこかでできればなぁと思っているが、これも共著者との関係次第というか、お互いが時間取れずになくなっちゃいそう。

5. AIを使った画像診断の研究で特定の成果を出す(学会?or論文?)
→ これは完全に先方との折り合いがうまくつかずに頓挫。僕の職場で兼業ができなくなったことも大きいと思われる。まあ終わり方がスッキリしていたので良しとする。

6. 狂ったように実験する
7. 海外の学会に行く
→ Pacifichemに行ければ良かったのだけれど、オンライン開催になってしまったので参加やめた。
8. 海外ポストを確保する
9. 海外のフェローシップとる
→ これは2022に延長の目標となってしまったものの、ほぼ必ずやらねばならない至上命題に近い!必ず達成する. タイミングが難しくて結局海外系に手をつけるのが2021の秋口からになってしまったのが原因か. 

10. 国内研究員のポジション見つける
11. 例の構想を事業化して推進する
12. 朝の論文輪読会を有機的に動く組織にする(有志で25報の報告にする)
→ 朝の会は有機的とは言えないまでも、多分20個くらいはイベントを開けていた。 何とかかんとか動いているという点では12も達成といってもいいかもしれない。これからこの組織は、論文を読む会ではなく、プロジェクト毎に動いていく会にしていければと考えている。イベントの回数少なくていいから、手足を動かす組織にしたい

13. ひとけんで基幹となる事業を1つ、着々と進めて1年間継続しきる
14. クレイジーなアイデアを着想・実行・実現する
15. 意味ないけどなんかすごいなっていう微妙なアイデアをコツコツと積み重ねて形にする
(レゴブロックを積み上げて東京タワーの高さを超える、みたいな。)
14、結局、社会人になると自分が丸くなった気がする、クレイジーさという点からは合格点を自分に挙げられなかった。社会という枠の中に収まって丸く(何も考えずに)生きてしまう自分にはなりたくない。
15はやはり物々交換が地道に進むことかなぁ. それを考えると1回できたので、達成は△?

16. 本を50冊読む
→20冊。達成率40%. これは毎日のように開かんと思いながらも、やはり社会人になったせいか、目の前の仕事をこなそうとしてしまってそっちの優先度が高くなった結果だと思う。無理矢理にでも読書時間を確保するにはどうしたらいいかと常々考える… ①通勤の5-10分を読書に当てる ②寝る前の5−10分を読書に当てる これだけでも違うと思うので、次年はこれを続ける。

17. 筋トレする
18. ランニングを習慣化する
→ スポーツ習慣という観点からは2021はダメダメ。何度かランニングはしているものの、家の周りが走りにくいなどのハードルもあってか、なかなか続かず。新年はなんらかの運度習慣をつける(サッカーorフットサル、ランニング、ジムあたりが候補)

19. 毎日特定のニュース読むのを習慣化する
→ 途中までできていたけど、年度後半あたりから、もう目の前の仕事を優先させてしまった。論文など、やらねばならないことをやっていたのでそちらがこなせたという点ではgoodだけど、やはりまだまだ自分時間をうまく作れていない証拠. 余裕持ってinputする時間を1日1時間くらい作りたい

20. Facebookの更新頻度を上げる(年3回くらい?)
→ △くらい. まあ別にこれ、達成しなきゃいけない目標でもないしそんなに深刻に考えない.

21. おししいご飯をたくさん食べる
22. 料理習慣を復活させる
23. サッカー観戦に行く
→ TVerでめちゃたくさん試合見たので良しとしてもいいかもしれないけど、来年こそはリアルで見たい. 

24. めちゃいい温泉行く
25. 結婚式挙げる 
26. 映画・音楽・芸術合わせて10回はライブで観に行く
→映画1回いった. 音楽1回行った. ってくらいかも. 美術館とかいけてないから心が乾いてしまう.

27. リュックと靴を買い換える
→ 冬服と靴は変えれたからいいとする. 毎年身だしなみには気を払える人でありたい
28. 冬服を買い換える
29. 実家に帰る(状況が許せば)
30. 寄付する(母校、学生寮、母団体など)
→ 寄付、どうしてもしたいところにはできているものの全部というわけには行かず…・早く偉くなりたい。。

31. 自分の思考と行動に自信を持つ
→ 自己肯定感がまだまだ低い。リーダーらしい立ち居振る舞いをしているからこそ、やはりリーダーになれる。

32. 決して、自惚れない, 油断しない
33. 笑って楽しく、そして誇りを持って仕事に取り組む
→ 悪くいうつもりはないけれど、新しいラボは「楽しく」ってよりかは「真面目に」って雰囲気が強いので(普通にいいことです)、やや達成したとは言えない。自分でムードを作って自分中心にチームが動いていくようにしたい。これが来年の目標かな。

34. 大きな仕事に取り組む(小さな仕事は己を小さくする)



=====================================
関連書籍

2021年12月29日水曜日

最後の1枚は渾身のプレキャストゲル:絶対に忘れられない「魂の電気泳動」~博士学位のかかった究極のリバイス実験~

目次


1. 魂の電気泳動の日

2. 研究室という"社会"の中で、「論文を書く」という事

3. 難解な問題を前にした解答者が、この世で最も欲しいもの

4. いざ、プレキャストゲルで、最後の勝負!

5. 編集後記 (教訓・謝辞)


魂の電気泳動の日


今日は、あの日から1年が経つ。1周年記念。
生涯にわたって絶対に忘れることがないであろう「魂の電気泳動の日」。あの日を振り返っておこう。



2021年12月24日金曜日

モルヌピラビル の催奇形性・発がん性の報道は大丈夫? 日本での報道・周知が甘いのでは?

目次

モルヌピラビルが緊急承認されたという決断を見て僕は驚いています.
個人的には催奇形性や発がん性の報道(周知)が甘いと思っています。
添付文書によると、妊婦は禁忌になっているので、医療従事者たちはわかっているのでしょう。

薬害が繰り返されないことを祈るばかりなのですが、 臨床の場/視点からはどのように受け取られているのか気になっています。無関心だったという意見も含めて率直に教えて欲しい。

投稿に至った背景だけ簡単にテキストで。
・構造見たらわかりますがモルヌピラビルは核酸アナログ
・実際細胞実験では
 催奇形性を持つリバビリンやファビピラビル(同じ核酸アナログです)と比較して5-10倍程度の変異原性が報告されています。
 >S. Zhou, et al. J. Infect. Dis. 244, 415-419 (2021)

 

・RNApol阻害がメカニズムみたいですが、構造で大体代謝経路について予想できると思うのですが、
 代謝産物がDNApolに識別される可能性は大いにあると思っています(この辺の詳細は酵素とか書き出すと長いので割愛)

・実際EU・米国は妊婦は使用を控える旨の通達が出ているようです
・レムデシビルはエボラの時からも使われているのもありますし、vivo実験やある程度の人数規模の臨床試験では催奇形性が今の所認められていないというのはありますが、この構造に関しては完全に新規なので、これを妊婦さんが受精期に投与することってかなり確率としてやばいんじゃないの?って気がしています。

僕自身の立場は驚きであるとはいえ、ニュートラルです。
なお、感染初期での投与が劇的な重症化抑制効果を示す本薬剤の活性本体の薬効はものすごい威力だと思っています。


なぜ今回のこの薬で催奇形性が報道されていないのかがちょっと個人的には解せません。承認直後の各紙ニュースでは全く触れられていない。。医薬品に対するhesitancyを煽ってはならない、という観点からuntouchableなのでしょうか・・

=====================================
参考文献
1. COVID-19 治療薬モルヌピラビルは経口投与で初期感染に
効果を示すが催奇形性に要注意 北海道大学 松田彰先生
https://www.pharm.hokudai.ac.jp/alumni/special/houkou_071-5_2.pdf 
=====================================
参考URL
<●●について>
次のURLを参考にさせていただきました。
・https://news.line.me/list/3zoqg4eni9i1?utm_source=LN_extra&utm_medium=20211224182115&utm_campaign=none&utm_content=b81a7578445e_%E2%98%85%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E9%A3%B2%E3%81%BF%E8%96%AC%E3%80%8C%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AB%E3%80%8D%E3%82%92%E6%89%BF%E8%AA%8D%20%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%81


=====================================
関連書籍

2021年8月21日土曜日

COVID-19 mRNAワクチンの今後の展望:低コスト/高純度化と、キャリアフリー(脂質性ナノ粒子不使用)、そして自己投与へ

mRNAワクチンの今後の展望


今朝電車で以下のニュースを見かけて、そろそろ「mRNAワクチンの今後」について書き留めておこうと思いました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA201WJ0Q1A820C2000000/

正直、ブースター接種(3回目)が効果があるのか?とか、annualな接種でいいのか?とかその辺の臨床的知見までは追いきれていないですので(僕の追うべきは基礎側)一応それはお伝えしておきます。



結論ファーストで、今考えている「mRNAワクチンの今後」です。
以下①ー④を中心に技術・研究側での議論は進んでいくのではないかと考えています。⑤も重要ですがやや付随的というか、継続的に議論は進むが、優先度はちょっと落ちるかな、という印象(いや繰り返しますが⑤も大事)。

①高純度
②低コスト
③キャリアフリー
④自己投与が可能
⑤その他:保存温度(安定性)、タンパクへの翻訳効率活性化


各論書いていると大変になるので、サクッとですが、概要を記しておきます

①高純度


ファイザー/Biontech製のワクチンの純度は実は60-70%程度という報告がされています。これが実は衝撃だと思って欲しくて、普通のタンパク製剤(抗体)や低分子の医薬品の純度はまず99.5%くらいあると思います。95%でぎり承認、90%切ればもう議論できないくらいの感覚。というのも例えば純度90%だったとしても、残りの10%の不純物が本当はターゲットと考えている医薬品の100倍活性があるみたいな話だったら実は主要な生理活性を持っているのは、不純物の方だよね、って考えもありうるわけで。

60-70%というのは、基礎研究の論文をpublishするのにギリギリ耐えるかどうかくらいの相当汚いレベルです(僕がreviewerなら基礎論文でも純度70%でデータ出してきたとしてもなんでこんなに汚いんだ?精製しなさいって言います。)。
巷ではなぜ話題になっていないのかよくわからないですが、多分水面下でこの辺は対策が進められているのでは?と推測しています。


②低コスト 


以前から基礎の分野では、ここは議論の対象かも。(基礎科学の試薬会社から試算してmRNAワクチン3kg(1億回分)を作ろうと思ったらスケールメリット入れても5-50兆円かかるって、以前予想投稿していました。)。

実際今のところ、20億回分で:ファイザーの売り上げが3.7兆円, ビオンテックの売り上げが2兆円。思ったより安いけれど、それでも異常なまでの価格です。

(注)毎年世界でめちゃくちゃ売れるtop10の医薬品でもだいたい1000億くらいです。その10-100倍売っている。。。

多分、修飾UridineやARCAの特許、4000塩基のchemical ligationでlossするなどの原因があるのだと考えていますがその辺の奥まったところはまたいつか。


③キャリアフリー


ここはコストや副作用の話と関連。

多分筋中で痛いだけじゃなくて、脂質性ナノ粒子(LNP)による毒性・免疫性もあって、副反応による発熱や腫れがある可能性も否定できないと考えています(インフルエンザワクチンの筋中(LNPを用いていない)は多分こんなに腫れたりしないですよね、データ見てないですけど)。

LNPは粒子の大きさが不均一であったり、+チャージを帯びていて細胞毒性があるって話はずっと指摘されているのです。じゃあどうやってmRNAを送達するの?というところがこれからの研究者の腕の見せ所ですが、昨日もmRNA送達に関して個人的にはBreakthrough of the Yearクラスの面白論文が出ました。日進月歩です。
(ちなみにここが今やってる僕の研究でもあります。)


④自己投与が可能


個人的にここの注目度はtopです。毎年打たないといけないような代物なら、そのうち自己投与が可能になる(ように世の中が動いていく)のではないかと考えています。インスリンの自己注射みたいなイメージです。もちろんそのためには保存温度だの安全性だの、副作用だの免疫反応(多分これが最大の関門)だの課題は山積していることは事実です。

しかし、現状ワクチン購入のコストよりも、稼働する医療資源(特にマンパワーのことを指します)や、それにかかる人件費、などのコストがとてつもなく大きいと踏んでいます。



=====================================
関連書籍