責任のある仕事をこなすためには、トレーニングが必要である。
これは、PIを目指す研究者の一部が抱える葛藤だろう。
【早く一人前の研究者になって自分のラボを構えたい!】という半ば生き急ぎがちな気持ちの半面、かといって【責任をもって他人とやれるだけの大きな仕事はあるのか】という鋭い問いが自身に向かう。
僕も日夜このような葛藤と格闘している。特にこの2週間は、編集者からのお返事を待ちながら、研究者としての自分を漠然と見つめ直していた気がする。
【自分初の誇らしいアイデア】が浮かぶにはどうしたらいいのだろう。論文を書くに足るアイデアくらいならまあいくらでも浮かんでくるのであるが、「ライフワークにしてもいいな」と思えるくらい壮大かつやりがいのあるテーマってのにはなかなか出会えない。
僕は疫学研究にも手を出そうとしているのだけれど、こちらもやはりトレーニングが圧倒的に足りてないせいか、テーマはなかなか出てこない。他人との会話頼みだ。
努力で超えられるゴールとか閾値みたいなのが見えないのがアイディエーションであり、これを仕事にするのは本当に怖い。自分にできるかわからない。
でも思い返せば、「イージーワークだ」と感じてしまった企業は向かないと感じた自分もいる。きっと、自分の限界に挑戦し続けることこそが、僕の人生を豊かにしていくんだろう。
大きな仕事に取り組んで、取り組みはじめたら、二度と離すまい。
では、この2週間を振り返ります。