2021年12月29日水曜日

最後の1枚は渾身のプレキャストゲル:絶対に忘れられない「魂の電気泳動」~博士学位のかかった究極のリバイス実験~

目次


1. 魂の電気泳動の日

2. 研究室という"社会"の中で、「論文を書く」という事

3. 難解な問題を前にした解答者が、この世で最も欲しいもの

4. いざ、プレキャストゲルで、最後の勝負!

5. 編集後記 (教訓・謝辞)


魂の電気泳動の日


今日は、あの日から1年が経つ。1周年記念。
生涯にわたって絶対に忘れることがないであろう「魂の電気泳動の日」。あの日を振り返っておこう。



2021年12月24日金曜日

モルヌピラビル の催奇形性・発がん性の報道は大丈夫? 日本での報道・周知が甘いのでは?

目次

モルヌピラビルが緊急承認されたという決断を見て僕は驚いています.
個人的には催奇形性や発がん性の報道(周知)が甘いと思っています。
添付文書によると、妊婦は禁忌になっているので、医療従事者たちはわかっているのでしょう。

薬害が繰り返されないことを祈るばかりなのですが、 臨床の場/視点からはどのように受け取られているのか気になっています。無関心だったという意見も含めて率直に教えて欲しい。

投稿に至った背景だけ簡単にテキストで。
・構造見たらわかりますがモルヌピラビルは核酸アナログ
・実際細胞実験では
 催奇形性を持つリバビリンやファビピラビル(同じ核酸アナログです)と比較して5-10倍程度の変異原性が報告されています。
 >S. Zhou, et al. J. Infect. Dis. 244, 415-419 (2021)

 

・RNApol阻害がメカニズムみたいですが、構造で大体代謝経路について予想できると思うのですが、
 代謝産物がDNApolに識別される可能性は大いにあると思っています(この辺の詳細は酵素とか書き出すと長いので割愛)

・実際EU・米国は妊婦は使用を控える旨の通達が出ているようです
・レムデシビルはエボラの時からも使われているのもありますし、vivo実験やある程度の人数規模の臨床試験では催奇形性が今の所認められていないというのはありますが、この構造に関しては完全に新規なので、これを妊婦さんが受精期に投与することってかなり確率としてやばいんじゃないの?って気がしています。

僕自身の立場は驚きであるとはいえ、ニュートラルです。
なお、感染初期での投与が劇的な重症化抑制効果を示す本薬剤の活性本体の薬効はものすごい威力だと思っています。


なぜ今回のこの薬で催奇形性が報道されていないのかがちょっと個人的には解せません。承認直後の各紙ニュースでは全く触れられていない。。医薬品に対するhesitancyを煽ってはならない、という観点からuntouchableなのでしょうか・・

=====================================
参考文献
1. COVID-19 治療薬モルヌピラビルは経口投与で初期感染に
効果を示すが催奇形性に要注意 北海道大学 松田彰先生
https://www.pharm.hokudai.ac.jp/alumni/special/houkou_071-5_2.pdf 
=====================================
参考URL
<●●について>
次のURLを参考にさせていただきました。
・https://news.line.me/list/3zoqg4eni9i1?utm_source=LN_extra&utm_medium=20211224182115&utm_campaign=none&utm_content=b81a7578445e_%E2%98%85%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E9%A3%B2%E3%81%BF%E8%96%AC%E3%80%8C%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AB%E3%80%8D%E3%82%92%E6%89%BF%E8%AA%8D%20%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%81


=====================================
関連書籍

2021年8月21日土曜日

COVID-19 mRNAワクチンの今後の展望:低コスト/高純度化と、キャリアフリー(脂質性ナノ粒子不使用)、そして自己投与へ

mRNAワクチンの今後の展望


今朝電車で以下のニュースを見かけて、そろそろ「mRNAワクチンの今後」について書き留めておこうと思いました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA201WJ0Q1A820C2000000/

正直、ブースター接種(3回目)が効果があるのか?とか、annualな接種でいいのか?とかその辺の臨床的知見までは追いきれていないですので(僕の追うべきは基礎側)一応それはお伝えしておきます。



結論ファーストで、今考えている「mRNAワクチンの今後」です。
以下①ー④を中心に技術・研究側での議論は進んでいくのではないかと考えています。⑤も重要ですがやや付随的というか、継続的に議論は進むが、優先度はちょっと落ちるかな、という印象(いや繰り返しますが⑤も大事)。

①高純度
②低コスト
③キャリアフリー
④自己投与が可能
⑤その他:保存温度(安定性)、タンパクへの翻訳効率活性化


各論書いていると大変になるので、サクッとですが、概要を記しておきます

①高純度


ファイザー/Biontech製のワクチンの純度は実は60-70%程度という報告がされています。これが実は衝撃だと思って欲しくて、普通のタンパク製剤(抗体)や低分子の医薬品の純度はまず99.5%くらいあると思います。95%でぎり承認、90%切ればもう議論できないくらいの感覚。というのも例えば純度90%だったとしても、残りの10%の不純物が本当はターゲットと考えている医薬品の100倍活性があるみたいな話だったら実は主要な生理活性を持っているのは、不純物の方だよね、って考えもありうるわけで。

60-70%というのは、基礎研究の論文をpublishするのにギリギリ耐えるかどうかくらいの相当汚いレベルです(僕がreviewerなら基礎論文でも純度70%でデータ出してきたとしてもなんでこんなに汚いんだ?精製しなさいって言います。)。
巷ではなぜ話題になっていないのかよくわからないですが、多分水面下でこの辺は対策が進められているのでは?と推測しています。


②低コスト 


以前から基礎の分野では、ここは議論の対象かも。(基礎科学の試薬会社から試算してmRNAワクチン3kg(1億回分)を作ろうと思ったらスケールメリット入れても5-50兆円かかるって、以前予想投稿していました。)。

実際今のところ、20億回分で:ファイザーの売り上げが3.7兆円, ビオンテックの売り上げが2兆円。思ったより安いけれど、それでも異常なまでの価格です。

(注)毎年世界でめちゃくちゃ売れるtop10の医薬品でもだいたい1000億くらいです。その10-100倍売っている。。。

多分、修飾UridineやARCAの特許、4000塩基のchemical ligationでlossするなどの原因があるのだと考えていますがその辺の奥まったところはまたいつか。


③キャリアフリー


ここはコストや副作用の話と関連。

多分筋中で痛いだけじゃなくて、脂質性ナノ粒子(LNP)による毒性・免疫性もあって、副反応による発熱や腫れがある可能性も否定できないと考えています(インフルエンザワクチンの筋中(LNPを用いていない)は多分こんなに腫れたりしないですよね、データ見てないですけど)。

LNPは粒子の大きさが不均一であったり、+チャージを帯びていて細胞毒性があるって話はずっと指摘されているのです。じゃあどうやってmRNAを送達するの?というところがこれからの研究者の腕の見せ所ですが、昨日もmRNA送達に関して個人的にはBreakthrough of the Yearクラスの面白論文が出ました。日進月歩です。
(ちなみにここが今やってる僕の研究でもあります。)


④自己投与が可能


個人的にここの注目度はtopです。毎年打たないといけないような代物なら、そのうち自己投与が可能になる(ように世の中が動いていく)のではないかと考えています。インスリンの自己注射みたいなイメージです。もちろんそのためには保存温度だの安全性だの、副作用だの免疫反応(多分これが最大の関門)だの課題は山積していることは事実です。

しかし、現状ワクチン購入のコストよりも、稼働する医療資源(特にマンパワーのことを指します)や、それにかかる人件費、などのコストがとてつもなく大きいと踏んでいます。



=====================================
関連書籍

2021年8月9日月曜日

核酸医薬研究者の、新型コロナウイルスワクチン接種手記_気になったのはモデルナアームと黄色尿

新型コロナウイルスワクチン接種記録


・先日(というか昨日)ワクチン打ってきたので、個人の体験記録として、後々のためにも残しておこうと思います。あくまで接種に反対とか賛成とか、ワクチン危ないとか大丈夫とかそういう意見を述べるための記事ではなくて、本当に立場としては中立な立場で書こうと思っています。「個人として、このように感じた/ このような経験をした」ということを述べるだけです。n=1の意見としてご参考まで。



接種に至るまで (2021年6-8月くらい)


・6月くらいに大学の事務から、職域接種(?)の案内が来た
・予約開始が7月上旬くらいだった
・この職域摂取では、モデルナ(moderna)ワクチンを打つらしい(やった!)

・自分は大学の方での実験が繁忙期だったこともあって少々後回しにして7月末(25日くらい?)に再び予約サイトの確認・予約方法のチェックなどをすることに。

 → するとどうでしょう。
  ワクチン供給の遅れからか、予約を一旦中止されていました。。無念、。

・と思いきや、追加で予約を受け付けしますとのメールが2,3日後にすぐ届いて、これは早く予約せねばと受診後すぐにURLを開いて、あっさり1clickで予約完了!(「これで予約終わり?!」ってくらい1クリック。。)
 
 → 8月5日と割とすぐに順番が回ってきました。


ワクチン接種1回目(21年8月5日)


・接種当日:17時37分の接種予約でしたが、結局打ったのは、17時56分。
自治体から届けられるワクチン接種チケットみたいなのを持っていかないといけなかったみたいだけれど、届いたのが前日だったこともあり、開封前で持って行くのさえ失念。

けれども、接種現場で問診票に記入して本人確認書類提出したらあっさり打たせてくれました(予約名簿の確認はされました)。時刻が夕方だったからか、問診まではほぼ待ち時間ゼロで通れて、接種に2,3名の並びがあって5minくらい待ったかな、という感じ。

半個室みたいなところで、自分は看護師さんに打ってもらいました。
接種の際は、利き手の確認とアルコールかぶれ、これまで採血などで倒れたことがないかを確認されたのちに、1秒くらい一瞬で注射。これで完了。

針の痛さはほぼ皆無でした。
一方、打った直後くらいからうっすらジンジンする筋肉の痛さ、これが2日くらいずっと続くのでした。なるほど、これが筋注か。「今夜は少し多めに水分を摂ってくださいね」と一言いただいて退室。

接種後はシールみたいなのを貼ってもらって、
それから15分広場の椅子に座ってアナフィラキシーチェック。
会場出る前にもう一枚、modernaワクチンの注意事項のペライチをいただいて帰宅(ラボに。)。


その日はなんとなぁく腕が痛いかなぁくらいで1日が終わりました。
確かに夜寝る前くらいはやや腕の挙上がしんどくなってきたかも、寝ている時、寝返りとかはなかなか打てなかったですね。


1日後:話に聞いていた通りですが、一番辛かったのはこの日。辛いと言っても、腕の挙上が
困難だというくらいですが。それでも、「筋肉痛のもう少ししんどいバージョン」くらいのものでしたが。何が一番辛かったって、Tシャツの着脱でしょうか。この日も寝返りを打つにはしんどいかなぁくらい痛い。

それでも、だからと言って日常生活に致命的な何かがあったかといえばそうでもない。

その他の症状として、うっすら感じたのは、微熱と倦怠感かな。これもおおよそP3試験の結果通りの副反応ですが。。
①体の火照り:なんとなく熱いなぁポカポカするなぁって感じが1日続きました。1日目の夜に熱を測ったら37.3度、確かに微熱だった!まあ免疫反応起こしてたり正常に炎症起こしているのならよしと。仕事できないほどしんどいとかもなく、本当に気持ち熱いかな、くらい。

②薄い倦怠感:いつもの仕事効率を100とすると、85くらいには落ちるかも?という程度のだるさ。でも熱さの割にだるさは大きくないし、不思議な感覚でした。

③尿の黄ばみ:これが僕特有かも。まあ免疫反応を起こしてうすら風邪ひいていたと考えれば妥当かもですが、尿はこの日黄色いことが多かった気がする。そしていつもより2回分くらいは頻尿だった気がする。水を多めに摂取することを意識したからか。


2日後:この日になると、副反応はほとんど気にならない。腕だけわずかにまだ痛いですが、全然もう平気。逆にモデルナアーム(腕の腫れ)が引くのかどうかが心配になるくらい。注射した位置から3-5cm程度下部に、ぽっこりと腕の膨らみが出てきててこれが気になった。


3日後:もうほとんど腕の痛みは無いも同然。そりゃどっかにぶつけたりしたら痛いでしょうけれど。。ってくらい。一方、腕の腫れはほんの少し(腕まくりをしていたら)まだ確認できる。

4日後:つまりだいたい100時間後ということですが、8月9日にはモデルナアームというべき腕の腫れもほぼ完全に引いて、痛みもなし。

ワクチン接種2回目 (9月日)

摂取日あたりにまた書きます。to be continued


=====================================
参考文献
1.
=====================================
参考URL
<●●について>
次のURLを参考にさせていただきました。

=====================================
関連書籍

2021年7月30日金曜日

健康とは、趣味である?! みんなもうとっくに、そのサプリが効かないことなんて知っている. それでも、健康を追いたい.

健康とは、ブームである?!


表題は「趣味」って書いてあるのに「ブーム」かい!ってなるかもなのですがまあその辺はお手やわらかに。「健康とは何か?」の着想で一つぼーっと考えていたのでメモします。
(いや前からも以下の考えはあったんですけど整理です。)
根拠となる文献や資料はあまりなくて、あくまでも妄想です。連想多めなので注。

さて、今回の記事で主張しようと試みるのは以下のスキームだ。
「健康とは何か? →  健康とは、ブームである。」
(注:筆者の立場はあくまでニュートラル)


2021年7月16日金曜日

GoogleよりAlphaFold2の論文がNatureに、RoseTTAFold論文がScienceに同時に。

激動のタンパク質計算科学

単なる話題提供ですが、タンパク質計算科学と呼ばれる領域が今日すんごいです。

(個人的に、第二のジスルフィドの発見, aducanumab承認, GlycoRNAに続いて2021の4大ニュースとしてランクイン)

GoogleよりAlphaFold2の論文がNature、RoseTTAFold論文がScienceに同時に出ました。


3D protein structure prediction via AI deep learning. つまり、たんぱく質の立体構造をAIで予想する系。この領域では今まで、実験、つまり「X線結晶構造解析」でやっていました。
(1953にワトソン、クリック、ロザリンド フランクリンがDNAの二重螺旋を発見した方法. いや僕そんな詳しくは知らないんですけど。)


従来の計算科学領域では、「やっぱ、計算では実験には敵わないよね」くらいのAIの予想精度だったのですが、Google がalphaFold出してきて、「うあやばい!計算が実験を超える日が来るかも?!!」みたいになってきたのがここ数年くらいで、去年の10月(論文未発表)に、AlphaFold2のデータが世に出てきて、「ヤベェ計算と実験がもう同じレベルじゃん。。。」ってなってました。

今回の論文は、その時のやつです。



もはや、実験で得られた構造とAI予測構造がほぼ同じやん!ってなってて、実際ズレも1オングストローム以下(水素原子1個分以下)くらいになってきています。きもすぎる。昔僕が産総研にいた時に、たんぱく質構造の予測でHomology Modellingって手法で同じことをやってたことがあるのですが、もはやこれがもうゲームというか幼稚園児のおもちゃみたいに思えてきます(多分実際におもちゃ)。




実際に当時から仲のいい産総研時代の研究員の方々に聞くと、Natureとかに出てくるディープラーニング創薬系の論文はもう日本では太刀打ちできないみたいな話でした。「この論文おもろくないっすか!」って言って見せに行くと、「ヤベェなこれ!!!え、もうコードも公開されてるんですか?!どれどれ。EEEええええ?!すごい。すごいです●●さん!!!ええ、もうこんなところまで行ってるんですか?向こうF1でこっち三輪車みたいな戦いですよ」って感じに言われたのをすごい鮮明に覚えてます。


しかしまあ、X線結晶構造解析は手のかかる方法で、タンパク質によっては結晶を作るのに2,3年とかかかったり、中には結晶を取れないタンパクもあります。結晶を取れたとしても、その解像度が低くて議論にならないとかいうこともままあります(それで苦しんでいる仲間を何人も知っています)。今でも結晶構造解析のデータを含む論文が出たら、1ランク上のjournalにいけるって感じがありますし、タンパクによってはNat, Cell, Scienceの姉妹紙クラスには乗るような世界です(先日京都大の同期が実際にSci Advに出してた。これで学位出すらしい。いいな。。)。


はい、単なる話題提供でした。
=====================================
参考文献
1.
=====================================

参考URL

https://science.sciencemag.org/content/early/2021/07/14/science.abj8754
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03819-2
https://twitter.com/erictopol/status/1415732633305190405?s=21

Eric Topol のTweetが初期は参考になった:
https://twitter.com/erictopol/status/1415732633305190405?s=21 


=====================================

関連書籍


タンパク質計算科学 ―基礎と創薬への応用


2021年6月8日火曜日

米バイオジェン/エーザイがついに、アデュカヌマブのアルツハイマー病に対するFDA承認を...!!!

目次数十年ぶりのアルツハイマー薬


今朝方、このニュースを聞いて震えました。

賛否巻き起こるでしょうが、ついに条件付きではありますが、
米国バイオジェンとエーザイから申請された、アデュカヌマブのFDA承認がおりました。
https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/us-fda-set-rule-controversial-biogen-alzheimers-drug-2021-06-07/

数十年来のアルツハイマー薬。
一つ、歴史を塗り替えるという意味で、本出来事は大変に大きな意義を持つと思います。
また、一部の患者さん・そのご家族もきっと待ちに待った新規医薬品であることは間違いない。暗い世の中に一つ希望の光を持ち込むようなニュースだ。。

医薬品だとかヘルスケアの界隈にいると、このような歴史的瞬間に出会えることが数年に一回くらいあるけれど、その度に、僕はこの分野に来てよかったと思う。
すごいな医薬品は。と感動する。


さて一方、年間600万円という超高額医薬(しかもアルツハイマーなので慢性的に投与続けないといけない)ということで、また薬価の議論もまき起こりそうです。
日本だけでも600万人もの認知症患者さんがいると言われているので、この人たちがこれをみんな使い出したら...なんて考えるとえらいことです。

また、注意しないといけないのは、これもまた決して「治療薬」とはいうものの完全に治すことのできる薬ではなく、あくまでも「進行を遅らせる」ものに過ぎないということ。


バイオジェン・ジャパン初のインターン


ところで、もう時効?だと思うので、暴露です。
(インターンに行っていた事実は暴露して問題ないのですが、内容はあまり明かせられない)

2019年に僕は、リーディング大学院関連のプロジェクトで2ヶ月ほど企業インターンに行くことになって、バイオジェン・ジャパン初の学生インターン生として、この薬の承認申請にも末端で関わったことがあります。

ちょうど、ENGAGE/EMERGE試験のP3を中止しながら承認申請出すとか出さないとかしてた頃です。
https://www.eisai.co.jp/news/2019/news201917.html
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17164/

本当に末端業務で、患者さんの治験リクルート計画作成を学んだりした医薬品なので思い入れもあります。グローバルの会社の方々とも相当本腰入れて、1週間近くにわたって議論を続けていたような記憶など、など、一気にあの日々が思い出されました。。。

またアデュカヌマブについてこの機会にアップデートしてみようと思います。


【追記】


*以下、「投与基準」について、どうお考えですか?という意見をいただいたので、参考までに当時お話に登っていた議論を記憶から手繰り寄せてつらつら書いてみます.
年間600万円ほどの薬価と言われている中、慢性疾患のAD患者にどう差別化して投与されるのかが気になります。臨床試験の組み入れ基準をみると、ごく一般的なAD患者を組み入れている印象ですが、PET検査でアミロイド陽性患者を対象としています。
重症患者を選択しようにも、早期に使用されないと有効性は低下しそうですし、
使用基準、難しいなと感じています。
* 2,3年前のインターン時の記憶を遡りながらなので間違っていることも多いかもしれません.

* 守秘義務を追ってますが, 以下は記憶からの引用なので、opinions are my own. というか、当該会社の意見ではないともここで断りを入れておきます.


薬価・患者さんの人数・疾患が慢性であること・医薬品の性質等々を考えると、投与基準は本当に難しいし、当時の社内/外でもいろんな意見が巻き起こっていました。

何しろPETだけで50万くらいかかります確か…….
使用基準についてはこの先10年とかそう言ったスパンで検討・議論されていくのではないでしょうか。

(その辺の提言を上手いける専門家集団を作りたいとも考えている。しっかり調査・議論してまとめて見るみたいなのはとても有意義だし、発信できる成果もあげられる。)


さてまず、製薬会社の利益としては患者さんを一人でも多くしたいって意図がゼロではない(というか結構ある)、と思うのでその辺を差し引いて考えてもらえれば。

・グローバルの人らと議論していて感じた「すげぇなこいつら」ってところは、【この医薬品の承認】を単なる承認として捉えず、「社会のnormを変えるきっかけ」にしようとしていたところです。

診断でのアミロイドPETの価値を問う際に用いられていたのは、「Shifting Left」と「Decouple」というキーワードでした。

「Shifting Left」:診断の時期を左、つまり早期にずらそうよ、というコンセプト. 早く診断できることで備えができることの意義がある.
「Decouple」:診断の価値と、治療の価値はそもそも別で、診断することそのものに価値があると見出すべきだ.


僕自身は正直以下どちらも難しいな/よくその価値がわからない(わからないというのは、否定的な意味じゃなくて、neutralな立場からしてわからない)という印象で、「早く診断できることの意義」がどのくらいあるのか?っていうのがいまいちピンと来ていません。(多分、動けなかった手足が動くようになる、みたいな簡単なアウトプットが想像できないからだと思いますが。)日本国内の社員さんたちも、ここは結構biogen グローバルのメンバーと揉めていたというか、議論していた印象です。

ただ、DMT(疾患修飾薬)の威力というか、いかにそれがQOLを上げるのかというアウトカムは、やはり他の疾患(例えば多発性硬化症なんか)を見ていてもやぱ「遅らせるだけ」かもしれないけど、めちゃくちゃそれが患者さんの支えになっているという事実もありますので、一部の患者さんからすれば、これが希望の光(本当の本当に希望で待ちに待っていたみたいな人も絶対にいる)のはずです。

あとはいくらでQoLあげますか?お金持ちしか助からない世の中でいいんです?みたいな他の薬でもあるような話が残ってきます。。


そのほか、、
・我が国におけるPET画像読影者、リガンド製造施設、そして診断の保険償還といったインフラ・システムは十分とは言えないので、その辺も考えないといけないよなぁと考えていました。PET施設はまだ多い方なので、グローバルの人は日本をいい市場だと捉えてるって言ってましたが。。

・そもそもなんでアミロイドPETで見分けたりしないといけないのかということも個人としては気になっていてBiogenさんにはインターン中に他の手段も提言しました(もちろん、知ってて検討しているとのことでしたが)。血液からアミロイドdepositionをdetectするような手法も確立され始めています(以下論文は島津から)。個人的にはこういうような技術の民主化がもう少し進んでくると、気軽な診断ってところに落ち着けるんでしょうなぁと期待しています。

Nature, A. Nakamura, N. Kaneko et. al., 
High performance plasma amyloid-β biomarkers for Alzheimer’s disease. doi:10.1038/nature25456
https://www.nature.com/articles/nature25456.pdf

【追記2】210615

そのほかのニュースだとか疑問点も出てきたので、さらに追記です
●重要な疑問点;静注の点滴で、どうして一部が脳に入るのか

[その他ニュース]
●06.08. 毎日新聞記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/df83a81c9db3bca59451e205871646ae3eaf8597

 日本では昨年12月、厚生労働省に薬事承認を申請した。超高齢社会を迎えて新薬への期待は膨らむとみられるが、FDAの審査でも有効性を巡って否定的な見解も出ていたとされる。また、バイオ医薬品であり、研究開発期間が長いことから高額薬となるとみられる。承認されたとしても、公的医療保険の適用対象とするかや、その場合の対象者も議論となりそうだ。


●06.08. 時事.com:
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060800222&g=int
 アルツハイマー病に詳しい東京大大学院医学系研究科の岩坪威教授(神経病理学)は「臨床試験(治験)では、投与された患者の症状の進行速度が、投与しないグループと比べて22%遅くなることが示された。早期アルツハイマー病の進行を遅らせることが期待される」と話している。

● 06.08. Nature 
Landmark Alzheimer’s drug approval confounds research community 

―米国食品医薬品局(FDA)が18年ぶりにアルツハイマー病の新薬を承認
―神経学者や生物統計学者からなる独立した委員会を含む多くの専門家が、FDAに対して、臨床試験データはaducanumabが認知機能の低下を遅らせることを決定的に証明するものではないと助言しました:
→ FDAは代替として活動の代替指標(Aβ)を測定して承認の頼りにしたが、これは危険な前例となると一部研究者は警告しています。

―Aducanumabは、アルツハイマー病の根本原因と考えられている脳内のアミロイドβと呼ばれるタンパク質の塊を除去します。FDAは、脳内のアミロイドβを減少させることができるという理由で、この薬を承認しました。

―しかし、一部の患者団体は、不治の病である進行性の病気の影響を和らげることができるものなら何でも欲しいと思っています。世界中で3,500万人がこのタイプの認知症を患っていると言われています。
:「新しいカテゴリーの最初の薬が承認されると、その分野が活性化され、新しい治療法への投資が増え、より大きなイノベーションが促されることは、歴史が証明しています」(Maria Carrillo, chief science officer for the patient advocacy group Alzheimer’s Association in Chicago, Illinois)

―アミロイド仮説に懐疑的なジョージ・ペリーは、「研究界を10〜20年後退させることになるでしょう」と言う。

【Problematic Data Set】
―2019年3月、研究者たちは、早期のアルツハイマー病患者を対象に実施されたこれらの試験が進行中の中間データを覗き見た。彼らは、これらが成功する可能性は低いと結論づけ、バイオジェン社は両試験を早期に中止した。

―バイオジェン社の再分析によると、最高用量のアデュカヌマブを投与された患者の一部で、認知機能の低下が統計的に有意な方法で抑制されたという。今回の試験では、低用量では同じ効果が得られず、もう一つの試験では、どの用量でも効果が得られませんでした。

―また、今回のデータでは、アデュカヌマブにも無視できない副作用があることが示されました。2つの第3相試験では、治療を受けた患者の約40%に脳の腫れが見られました。これらの患者さんのほとんどは、腫れに関連した症状に悩まされることはありませんが、危険な合併症を避けるために定期的な脳内スキャンが必要であり、患者さん、神経科医、医療システムにとって負担となっています。

―11月の会議では、最終的に11人のパネリストのうち10人が、提示されたデータはアデュカヌマブの有効性を示す証拠とは見なされないと投票し、残りの1人は棄権しました。今週、FDAは反対の結論を出しました。

―バイオジェン社は、Post-approval trial試験を完了するために最大9年間の猶予を与えられています。
―これは、製薬会社が、極めて質の低いエビデンスや事後的なデータ収集に基づいて医薬品を市場に投入する手段として、迅速承認プログラムを利用しようとする道を開くものです(Kesselheim)

―規制当局は用途を限定せず、すべてのアルツハイマー病患者に投与することができるとしている。バイオジェン社によれば、一人当たり年間約56,000米ドルの薬剤費を請求するとのことです。米国の600万人のアルツハイマー病患者の5%がこの治療を受ければ、この薬の収益は年間170億ドル近くに達する。これにより、現在の収益では、2番目に売れている薬剤となります。

―非営利団体であるInstitute for Clinical and Economic Reviewは、費用対効果の高い価格を年間2,560〜8,300ドルと見積もっています。

====================================
参考文献
1.
=====================================

参考URL

<本ニュースについて>
次のURLを参考にさせていただきました。
・https://www.reuters.com/business/healthcare-pharmaceuticals/us-fda-set-rule-controversial-biogen-alzheimers-drug-2021-06-07/

・という本記事を書いていたらあっという間に国内でもニュースが...
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=71253
https://www.asahi.com/articles/ASP680NV8P64ULZU007.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/df83a81c9db3bca59451e205871646ae3eaf8597
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021060800030&g=int

・アミロイド PET イメージング剤の適正使用ガイドライン(日本核医学会)
http://jsnm.org/wp_jsnm/wp-content/themes/theme_jsnm/doc/amyloid_pet_imaging_gl_2.pdf

・aducanumabについてのエビデンスレポート
https://icer.org/wp-content/uploads/2020/10/ICER_ALZ_Draft_Evidence_Report_050521.pdf

=====================================
関連書籍

2021年4月12日月曜日

遺伝子治療の外観と、mRNAの送達技術とについて

目次

1. 【遺伝子治療の概要】

2. 【mRNA delivery】


①【遺伝子治療の概要】


・遺伝子治療の80%はウイルスを使ってる現状

[virus送達の特徴]
・大量にvirus入れると肝障害(virusは肝臓にいきいやすい)...AAV8や9.
・AAVは安全だが、同じ細胞がクローナルに増殖(癌化する危険性)
・中和抗体による作用減弱(繰り返し投与ができない)
・高い(zolgensmaなど)
・年単位での発現(関係ないところにも発現)
・4.5kbpくらいしか発現できない

[plasmid DNA/mRNAによるdelivery]
●plasmid DNA delivery
- 1990, scienceここでhotになる. (あれ, virus使わなくてもいけんじゃん)

* plasmid によるDNA送達の問題
 ・細胞分裂しない限り核の中に入らない (*細胞質ならDNAでも入る)
  ー
神経細胞は細胞分裂していないから核に入らない
 ・ホストゲノムへの変異誘発(potetnttial risk)
 ・plasmidDNAを神経に入れようとすると入らない(核内に入らない) / mRNAは入る(transfection)

mRNA Delivery

 ーゲノム挿入がなくて安全
 ー細胞分裂しなくても導入可能(どの細胞にも均一に入る)


・元々Dendritic cellみたいなやつに入れて細胞移植を使ってdeliverしようとしていた。
 今はlipidに入れて送達するのが主流


② mRNAdelivery

●特徴
ーapoEと結合して肝臓へ
カチオン性lipid は毒性があるからionizable liqiid(pH3-4)を使うようになってる
 [カチオン性lipidの毒性について]
 - LDHの漏出、ホスファチジルセリンの露出(30min)
 - caspaseの活性化

ー外側がPEG, 逆ミセルがionizable lipidとしてこのPEGと二重層的なのを形成、
 その中にmRNAを入れ込んでいる

・脂質性ナノ粒子はスクリーニングでとってくる
 ーpKaが大事
 ーtail 構造
 ーesterを入れると肝臓で分解 (肝臓で蓄積しない奴が使われている)

・課題

①肝臓への送達困難
②筋肉投与しても肝臓や脾臓にいく
 (・引き算の研究できるのでは?)


●高分子nano粒子


 ーlinear ポリエチレンイミン
  ・プロトンスポンジ効果でエンドソームが破壊される…?と言われている
 (クロライドイオンが入ってきてendsome大きくなって破裂するって考え方)
  ・in vivoでPEGが大事(PEGがないと凝集を作ってマクロファージに食われる)
   * in cellsではそんなことない模様.

・相補鎖mRNA oligomerの差長を長くすると
 1. 翻訳は下がる傾向
 2. 免疫が起こる傾向 (40-60mer)


[がんワクチン]
戦略1:Tumor associated antigen(TAA, ガンで比較的強く発現しているタンパク)を標的にしてmRNAによって、抗原特異てきT細胞を腫瘍に供給. TAAは、正常タンパクだけどoverexpression
   *正常組織にもそのTAAがあるから免疫寛容を克服しないといけない

戦略2ネオ抗原…免疫寛容の克服が必要ない(癌にしか発現してないもの, 遺伝子変異によって出てくるもの)

abscopal効果:どこか体内の1カ所で免疫をつけておくと体全体の免疫がつく



【その他】


ーmRNAワクチンのgood pointは変異しても効果が保たれる点
 ・ポリクロナール抗体ができるから
ーターゲットとするタンパクの範囲が広い方が(特定の配列を狙うより)変異が起きてもadjuustしやすい(modernaワクチンは運よくこちら)


ー細胞性免疫もmRNA vaccineで誘導できる(∵ 細胞内から抗体を作る)
 (がんワクチンに有用なのもこれのおかげ癌は全部細胞性免疫)

ー不活化ワクチンとかは原理上細胞性免疫が誘導されない
  (が、起きている例もある。多分あジュバンドのせい?)

ー脂質による毒性で12-24時間後の痛みとかも出てくるのではないかと考えることもできる。多分結構炎症なり損傷なり起きている (mRNA vaccine)


=====================================
参考文献
1.
=====================================
参考URL
<●●について>
次のURLを参考にさせていただきました。

=====================================
関連書籍

2021年2月8日月曜日

博士3年のポスドク就活事情;JREC-IN使って1カ月であっさり博士研究員オファー3ラボ内定【ポスドク先選択7か条】

* 株式会社アカリクさまからご招待いただき、
  本記事は「アカリク アドベントカレンダー2021」に参加しております。
======
あれだけ不安だった「ポスドク先が見つかるのか問題」は、あっさりと解決された。
さきに結果だけ述べておくと、1月5日から始めたポスドク先を見つける活動、たったのジャスト1カ月で終わりました(2月5日)。

僕みたいに全く業績出てなくて、こんなに苦しくてもがいてもがいて、結婚して家庭もあるのに明日の飯も食えるかわかんない、みたいな状態でも、決まるときがきたら、あっさりと決まると伝えたい。その時まで、心を無にして目の前の仕事に向き合うこと、その忍耐強さ、Patienceだけが求められる。

行先:名古屋大学理学研究科
内定先:名古屋大学理学研究科、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)から2ラボ

*当初は海外ポスドクを考えていたのですが、ご時世なども鑑みて結局国内のラボだけにアプライしました。




2021年1月27日水曜日

2021年1月26日火曜日

社会関係資本(人のつながり)と、食との関係性の考察:人はみんなで食べないと(共食)生きていけないのか?

二度目の緊急事態宣言を受けて飲食業界はもう大変なことになっているだろうと心中お察しします。しかもなんと、1カ月を軸に延長を検討となると、経営としては本当にしんどいだろうなと。実際、京都の街並みを歩いていても、新京極や祇園といった主要なストリートですら空き店舗、テナント募集中の看板をいくつもみかけます。目も当てられないです。

僕個人としては、外出自粛をすべきだということも理解できるし、営業自粛をすると外食産業は直ちに経営が立ち行かなくなるということも理解できる。どうしたらいいのかといわれてすぐには答えは出せない。

こちらも記憶に新しいだろう。先週も、大手ファミリーレストランチェーン店のサイゼリヤ、堀埜一成社長の【ふざけんな】発言が話題になった。 https://www.fnn.jp/articles/-/130601

ここで考えてみたい。
人は、みんなで食べないと、生きてはいけないのだろうか?」と。




2021年1月20日水曜日

人生初、原著での国際学術論文がイギリスの化学雑誌(ケムコム, Chem. commun.)に受理(アクセプト)→in press!

二度目になりますが年始初っ端、原著での国際学術論文がイギリスの化学雑誌(ケムコム, Chem. commun.)にアクセプトされました (in press)。

Online版が公開されたので、早速シェアします
https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2021/CC/D0CC07171D
(ただし、無料ではアブストラクトしか見れません...!)



2021年1月18日月曜日

ワクチン関連話題:mRNAワクチン、HPVやワクチン忌避(Vaccine Hesitancy)について

ワクチン関連話題:HPVやワクチン忌避(Vaccine Hesitancy)について


ワクチン関連について、所々の視点から考察したいと思います。

新型コロナウイルスのmRNAワクチンに関連した話題もぼちぼちあがるかもしれません。

薬剤師の歴史と医薬分業の観点から、薬剤師の職業を考える:という勉強会を開いたよ

タイトル通りです.
Twitterのいいところは、コメントとかからサクッと勉強会とかが始まっちゃうところですね.
今回のも、先輩にちらっとコメントしたところから開催決定したって感じでした.
年の瀬にやってたのに今更更新.


心理学・哲学・社会学・人文学的 思考フレーム集

メアリーの部屋
ー1982. by フランク・ジャクソン(哲学者)
思考実験
 ・メアリーは白黒の部屋で生まれ育って、一歩も外に出たことがない
  つまり、メアリーは生まれてこのかた 色というものを一度も見たことがない。
 ・一方メアリーは神経生理学についての専門知識があって、視覚に関する物理現象を(テキストの上では)全て知っている。

 ・では、彼女が白黒の部屋から解放されて「色のある世界」を目の当たりにした時、
  彼女は何か新しいことを学ぶだろうか?

クオリアや物理主義に対する知識論法とも関わる

*クオリア(経験の主観的な性質):何かメアリーが新しいことを学ぶなら、そこにはクオリアが存在するということになる。
*知識論法:メアリーが新しいことを学ぶとしたら、物理主義は誤りということになる。
心的な状態については物理的な説明で全て事足りると主張する物理主義者は反論不可。

2021年1月9日土曜日

血の滲む努力の末に...年始早々Accept! 学位申請にポスドク申請に奔走

ついに学位申請を出せました...!!!
感無量...

年始早々の1月5日(イギリス時間では4日)に、人生初の筆頭原著論文にして、学位論文となる論文が、英文国際化学雑誌に受理(アクセプト)されました。
やっっとだ。IF=6くらいで、まあまあの雑誌って感じですが、まあよくこの一年で頑張ったとは思う。3年ある中で2年間はなんのデータもなく、最終学年の5月くらいからやっと進み始めたのです。



2021年1月2日土曜日

2021年やりたいことリスト34:抱負と決意と、自戒を込めて.

2021年やりたいことリスト34


抱負にかえて、今年も作りました!やりたいことリスト.
34個に得に意味はなくて、やりたいことを列挙していったらこうなった感じ.

今年も多忙になりそうだ。
ある程度成果も形になる前半戦になりそうですが、慢心せず、あくまでも圧倒的な研鑽と下積みの一年でいこうと思います。



これは年末ステイした宿.


2021年1月1日金曜日

2020年の振り返り:やる/やらないリストの達成度合い評価

2020 やる / やらない リストの振り返り


ついに新年明けてしまいました。おめでとうございます!
今年はずーーーーいぶん久しぶりに、伊勢神宮以外の神社で初詣してきてしまいました。
ということは、久しぶりに実家ではない場所で年越しをしたということです。

お嫁さんと過ごす年越しもなんだか新鮮でした。


さて、【2021年やりたいことリスト】を作成/公開する前に、2020年の年始に作成した目標について振り返りたいと思います。

総じて、習慣や思考・態度的な面については結構思うようにいったかなぁという印象です。一点だけ、インプットする情報量が減ったというのが気になる点ですね(読書量、ニュース量が減ったとか)。
一方、成果の面で振り返るとかなり厳しい一年になりました。最低の最低ラインって感じです。2021年には実るといいのですが。。


*これは先週のクリスマスディナー