2020年12月3日木曜日

自殺と新型コロナウイルス、経済との関係性



・8月、全国で自殺した人は合わせて1849人で、去年の同じ時期より240人以上増えたことが分かりました。このうち、男性は60人増えて1199人、女性は186人増えて650人となっています。

・都道府県別では、
▽東京都が最も多く、去年の同じ時期より65人増えて210人、
次いで
▽愛知県が46人増えて119人、
▽神奈川県が27人増えて109人、
▽千葉県が47人増えて107人、
▽埼玉県が41人増えて105人となりました。

ほとんど増えた自殺者は@都会.

・政府の統計によると、日本では(20年)10月の国内の自殺者数が年初来の新型コロナの死者数を上回った。警察庁が発表した同月の自殺者は2153人と前月から急増。一方、厚生労働省がまとめる日本の新型コロナ死者の合計は、11月27日時点で2087人となっている。

・日本は主要国中、その時々の自殺者のデータを公開する数少ない国の1つ。
・WHOによれば、日本の自殺率は世界で最も高い水準。
 2016年、日本で自殺により死亡した人の数は人口10万人当たり18.5人
       西太平洋地域においては韓国に次いで高い割合だった。
       世界平均の同10.6人と比べるとほぼ倍。

・自殺の増加は女性においてより顕著;
 今年10月、日本における女性の自殺は前年同月比で約83%増加した。これに対し、男性の自殺は同22%の増加だった。

 ∵女性は宿泊、飲食、小売りといった業種にパートタイムで就いている割合が高く、コロナ禍による解雇の影響を強く受ける

【日本の自殺対策の歴史】
1990年代の金融危機以降日本の自殺率は上昇
2003年には自殺者が3万4000人以上と最悪の水準に達した。専門家は、解雇に対する恥や不安によって男性を中心にうつが襲い、自殺率の上昇につながったと指摘する。

2000年代には日本政府は自殺防止や遺族支援の取り組みを進め
2006年には自殺対策基本法を制定


□経済の落ち込みが続けばすでに高い自殺率が一段と跳ね上がるのではないかと危惧する声が上がる。
 →この考察の根拠が以下の記事。
  すなわち、失業率(≒経済)と自殺率は相関する

歴史を振り返ると、社会の経済動向と自殺は強く相関している
完全失業率と自殺率の時系列カーブを描くと、両者は恐ろしいほど同調している。失業率が上がれば自殺率も上がる。

相関係数は0.7024

※失業率:働く意欲のある労働力人口のうち、職につけていない者(完全失業者)の割合
・総務省の『労働力調査』に計算済みの失業率の数値が出ている。
・自殺率は人口10万人あたりの自殺者数で、厚労省の『人口動態統計』から長期推移を知ることができる。


これを一次の回帰式にして逆算すると。。
失業率(X)が1%上がると、自殺率(Y)は1.949上がると推計できる。人口を1億2000万人と仮定すると、実数でみて年間の自殺者が2339人増える計算になる。2017年の労働力人口は約6720万人なので、このうちの1%、つまり67万人の雇用がなくなると2339人の自殺者が出る恐れがあるということになる。


=====================================
参考文献
1.
=====================================
参考URL
<●●について> 
次のURLを参考にさせていただきました。
なお、すべてのURLは2020年12月03日 参照。
 
・https://www.cnn.co.jp/world/35163196.html
・https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/01/post-11515.php
=====================================
関連書籍