2020年8月11日火曜日

もう、「拾う」のはやめにしよう:価値づけされた行動を見つけ出して、見えない束縛(ストレス)から解放されたい

2018年ごろ行われたとある慶應でのイベントをきっかけに、いつも、僕のそばにいてくれるメンター的お兄さんがいる。それ以前から一目置いてくださっていたみたいなのだけれど、一緒にこのイベントを創るという大仕事をしたことがきっかけで、ぐっと距離が縮まった。
それ以来、事あるごとに自分と一緒に何かやろうといったお誘いや、関西に来たときにお声がけいただけるという奇跡の面倒見である。ありがたい限りである。

この人とお話ししていると、いつも自分をリフレクションするとってもいいきっかけを与えてくださる。この間、オフラインでずいぶん久々にお会いしたときもそう。毎度重要なタイミングで現れては行動変容のきっかけをもらえるのだ。

あ、ただし、【今回は直接会って結婚のお祝いをする】っていうのが彼の第一目的だったみたい。めっちゃ可愛いお花と笑顔をいただきました。ほんっとうにありがとうございます。



(いただいたお花さんたち)

もう、拾うのはやめにしたい。


そう。とはいえ、彼とお会いしていつもお話することといえば、お互いの近況やキャリアについてのアップデート、次にどういう仕掛けをしようとしていて今どういうことを勉強・研鑽しているのかといったまあ、超超まじめな【語り】である。

もう、拾うのはやめにしたい。

 

っていうのは、今回お話してて痛烈に言語化されるまで発露された自分のエゴみたいなものである。今までにもこの感情は心の中でずっと、本当にずっとじわじわと煮詰められていたことはたしかであるが、今回彼とお話したことをきっかけに、それはこうして言語化されて次なる行動を考えさせるに至ったわけである。

さて、では「拾う」とはなんなんでしょうか。


拾う人と、創る人


世の中の99.9%の人は拾う人だと考えている。
そして残りの0.1%が創る人、いわゆるリーダーといわれる人たちだ。
この人たちが大きかれ小さかれ、我々の社会の仕組みを作っているといって過言ではない。

こういう考え方をしてもらってもいい。
ほとんどの人は、「人生で残したい差分」を考えていない。
そして、ごくわずかな人たちだけが、「人生で残したい差分」、社会に残したい何か、もっと単純化すると「成し遂げないことややりたいこと」を持っている。

世の中は、拾う人と創る人の両方がいないと成り立たない。というのも、創る人が達成しようとすることは往々にして一人では成し遂げようのないことだからだ。彼らは、大きな夢を描く。コンセプトを創る。あるべき未来の姿を具に描いて、それを人に伝える。巻き込む。

そして、拾う人たちは、彼らに「巻き込まれる」。拾う人たちがしっかりと創る人の描く未来だとかを描くサポーターになる。フォロワーともいえよう。この人たちが、「誰かがやらないと終わらないが、誰もやりたくない仕事」みたいなのを少しずつ分担したり、お金という対価をもらって我慢しながら、時にはボランティアでやっていたりする。

たぶん、こうして社会が回っている。


拾う人の心境


サポーターというときれいだが、拾う人の実際の心境は、まさに「拾う人」なのである。

何を拾うのか。創る人の描いたブループリントを達成するために必要な仕事を拾うのだ。未来は描くだけでは実現されない。これを、ひとつひとつの「仕事」にまで落とし込んで拾う人たちが力を合わせ、すべて成し遂げるからこそ、遠くまで行ける。(この小さな仕事1つ1つのことを、ジョブディスクリプション、JDといったりもする。)

なるほど、仕事=力×距離 とはよく言ったものである。

僕は、大学生後半くらいになってから、ずっっっっと、拾い続けてきた。ひたすら拾いに拾ってきた。拾いまくり人生だ。誰かの成し遂げたい何かに対してできる限り最高の力を貸してきたという自負がある。強いフォロワー・右腕になれるという自信にかけてはピカイチだ。

でも、これは本当は、とってもつらいんだよ。

なぜなら、本当に強い最強のフォロワーは、本体を食うことを知っているから。
そして僕自身は「拾う人」ではなく、「創る人」でありたいのに。
リーダーでありたいのにそうでない自分がいる。
僕はずっと拾ってきた。これでもかというほど。

このジレンマをずっと抱えている。
抱えながらそれでも、拾い続けてきた。


拾い続ける理由


拾い続けるのには、いくつか理由がある。
1. スキルセット・能力(マネジメント含む)が身につく
2. 人脈がつく
3. 知見が広がる
4. 周りにいる誰かを幸せにしたい、力になりたい(contribution)
5. 描く未来に共感できる
6. なんとなく楽しそう


そして、1-3.にかけてはもう十分だといいたい。まだまだ勉強すべきこととか身につけるすべきスキルセットはあるけれど、その優先度は落ちてきている気がする。なんでもかんでも専門性や能力を身につければ勝てるかといったらそうではないことくらい自明だ。

そう考えると、自分のかける時間は確実に「創る」側にシフトすべき時が来ているのである。それを実感している。最近すごくすごく。


そうなると、最近の僕が「拾い続ける理由」としては、5.6.が一番大きい。
(もとから5.6.が多分一番大きいのではあるが。)


よくよく考えたらこれは、本当につらいことなんだ。
想像してみてほしい。

描く未来に共感できるってことは逆に言うと、「自分が描きたかったはずの未来を先取りされて描かれた」ことに他ならない。


「あ~そうそう、遠からずそういう将来って来るよなぁ」みたいなのをちゃんと言語化した上で実行している。これだから「創る人たち」が憎い(悪い意味ではない)。


拾い続けるのはもういいんじゃないかって思う。早熟すぎるだろうか。本当に苦しい。自分の居場所があるようでないことが苦しい。20代はひたっすらがむしゃらに「拾い続ける」ことで成長するってのでいい気もするが、そろそろ次のステップを見ないと、僕は永遠に創る人になれないんじゃないかなぁっていう不安がいつも頭の中を駆け巡る。。


拾う人の「巻き込まれ力」


ここ数年になって、拾っても得るものがあまりないことが増えてきたことに気づき始めた。
でも、とにかく拾いまくる時があってもいいのだ。という寄り道話をする。

20代前半くらいまでは、ひたすらがむしゃらに「拾い続ける」ことでの成長があった。そしてそれは自分の中ですごく大きな自信になった。ある意味、かなりのジェネラリストになれた気がする。必要であればコードも書いたし、時にはクリエイティブ側の仕事をしたり、本をつくったり、集客したり、会計を知ったり、人事をしたり。

組織の中でこういう仕事を任されるくらい信用されるというのは実は、かなり恵まれている。裁量権を自分に任せきってくれているからだ。そんな無条件に信頼してくれるような組織があれば、若手は思い切って飛び込むべきだと思う。こういうのを「巻き込まれ力」って僕は呼びたいのだけれど、この力は大事。

どうやって身に着けるんだろう。
まずは「オープンであること」かな。自己開示しつくせるところまでしつくす、プライベートや腹の底まで。あとは、たくさんのスキルやポートフォリオを持っていることもプラスになるが、これは拾うスパイラルを繰り返していたらどうってことはない。スキル面(カリスマ)も大事だが、可愛がられる力・愛嬌をここでは強調しておきたい。そのための一歩はやはり、オープンであることにヒントが隠れていると思う。



自分に価値づけされた行動を認知すること


さて、「最初は拾い続けていていいんだ」っていう寄り道をした。

ただし、自分の在りたい姿が今の状態でない限り、必ず拾い続けるだけでは苦しむことになる。僕はいま苦しい。自分のやりたいことをやってない限りは永遠に、ストレスを持った状態で仕事をすることになるのだ。

まずは、この事実を認識していることがストレスマネジメントの第一歩。


そしてここからが本題だ。「価値づけされた行動」の話。
今の苦しい自分から抜け出すには、自分の価値づけされた行動を認識しなければならないという話だ。

「価値づけされた行動」とは、認知行動科学とか心理学らへんの用語らしい。
(さくっとは文献が見つけられなかったので今度、知り合いに聞いてみます。valued actionって言葉なら出てくるのだがこれでいいのか。。)

間違っているかもしれないけれど、見聞と判断でその特徴をいくつか。
好きと得意は違うという前提を抑えたうえで。
・価値づけされた行動は「動詞」であらわされる
 例:説明すること・研究すること
・幼少期のトラウマ体験との相関が強いらしい
・わりと、抽象度の高いことで、アップデートされなければならない
・スキルセットとはまた別次元の行動
・(お金関係なく)やってて楽しいし時間を忘れてしまう(何をやってる時が一番時間経つの早い?)こと
・他人は苦しいことと感じるが自分はどうとも感じないこと  

苦しい自分から抜け出すためには、この「価値づけされた行動」を、まず見つけ出すことからはじまる。ワークショップとかもあるみたい。

そして、自分はこれ(価値づけされた行動)だけをやろうということに特化することによって、心身がかなり楽になる。一つ抽象度の高いことで、自分の才能を見つけ出そうと。これでストレスフリーで仕事に取り組めるようになると。

なるほど、説得力があった。


Beの自分:オレオリエンテッド、自己中な世界


価値づけされた行動を見出すってのが大事なのはわかった。しかし、ちょっとお話をしていて僕がちょっと腑に落ちなかったというか、落としきれなかったモヤモヤを一つ。

僕には、「To Beがあるけど、To Doが明確でない」という点だ。

結局自分が「本当にしたいこと」なんてわからないまま、ただただ拾いに拾いまくって遮二無二前進してきた。「好きなことがありません!」だなんていう間髪もなく、とにかく目の前のことに諸突猛進。気づいたら薬学だとか医学の世界に足をつけて、気づいたらそこが得意になっていて、気づいたらその世界が好きになっていた。

今ではもう、「健康」だとか「ヘルスケア」だとか「医療」といったものは、絶対自分のライフワークになるなと確信しているくらいである。でも、これって何か言ってるようで何にも言っていない。「健康」だなんて、ある意味あらゆる人間の営みのうちに包含されてしまうと考えることもできてしまう。

価値づけされた行動を認識として持っていたとしても、「自分のTo Do」を見出さない限り、やはりずっと苦しい状態は続くのではないか?という懸念がもやもやである。

これに対する考えうる見方としては「To Doがなければ実は本当に価値づけされた行動なんて見つからない」ということである。この可能性は十分に考えうる。


さてここで、いったん自分のもやもやを吐き出す。

僕は今までいろいろ成し遂げてきたことがある。
一人にせよ、チームにせよ、規模の如何問わずいろいろやってきた。
自分で成し遂げたことに満足したことはあった。
でも、チームで何かを成し遂げたとき、すっごくうれしい一方、自分の中に渦巻くなにかちょっとした黒い部分がこそこそと自分の胸の内を引っ掻いてくることがある。
チームでしかできないことがあるっていうのはめっちゃわかる。
その達成感を味わいたいという自分も確かにいる。
でも、それが自分オリエンテッドでなかったとき、なんだか苦しい悔しい。

なんて自己中心的なんだろう。

思い返せば、自分のチームを持っていた時(小学生のときのサッカー時代)が最高に楽しくて時間なんて忘れてひたすらコミットしていた。自己中心的なのかもしれないけれど、僕に価値づけされた行動の一つはもしかすると、「自分のチームを持つこと」なのかもしれない。

~~~~以下はメモ書き~~~~

「価値づけされた行動」を見出すために、自分の「得意」をブレストしてみる。
 *好きと得意は違う.

得意(他の人が追随できないこと・時間を忘れるとか)


・マメなこと
 コツコツやれば絶対にできるけれど、ほかの人が絶対にやらないくらい莫大な何かとか価値のある何かを成し遂げるまでひたすらこつこつやること。1000時間やんないと終わんないことを、1000時間かけて終わらせることができる。
 例:蓄積、収集、回収(拾うこと?笑)、ちゃんと全部返事返す、

・MECE、整合性の担保
 漏れなくたぶりなく、何かを洗い出すこと。論理的な矛盾に気づけること。
 例:秩序だった文章を書く、ロジ調達周りの抜けチェック、企画の壁打ち

・リアリティの追及と実現
 それってどうやったら本当に成し遂げられるんだっけ?を1つ1つのJDにまでおとしこむことができる。そしてこれらを忠実に実行することができる。

・やりきる力、やばい時の底力
 最後の最後までクオリティに妥協せずに物事を成し遂げる。こうと決めたら、締め切り限界ぎりぎりのぎりぎりまでなんとしても決めたことをやり抜こうとする。
 例:120時間連続ワーク、圧倒的知的体力

・専門知識や社会的課題を世に問う力
 例:プレゼンテーション力(登壇とか)、ショーマンシップ、発信、提言

・マルチプロジェクトさ(協働できる)
 基礎研究をこれだけやりながら臨床の人やスタートアップ、ビジネスの人とここまで会話できたりする人はなかなかいないんじゃないかと。一緒に仕事できる人の幅が広い。


自分なりの価値づけされた行動 ver1.0 (20.08.11.)


1. 企む / 妄想する / 期待を超える
 例:企画書創る、スライド作る、助成金や研究計画を考える、誰かを喜ばせる、サプライズ(驚かせる)

2. 書く(論文とか文章とか)
 例:助成、申請、blog, 寄稿、日記
◎1.2.を併せて「夢をカタチにする」

3. 自分のチームを動かす(所有する)
 例:小学校のサッカーチーム(所属していた学生/任意団体はなんか違う)
 
4. 議論する
 例:

5. 知識を入れる、知る
 例:論文読む、読書、News

6. 問う
 例:文章とか発表とかを通じて

7. 記録をつける、(博物的に)集める
 例:日記, blog, データをとる / 整理する

8. Showする、魅せる
 例:プレゼンする、人前に立つ(登壇する)


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参考文献
1. 価値づけされた行動について、探してます。
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参考URL
<●●について>
次のURLを参考にさせていただきました。

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