2018年1月12日金曜日

スマホで精子をチェックできる【Seem】がすごい!  不妊治療に対するリクルートライフスタイルの提案

自宅にいながら簡単に精子をチェックできる【Seem】


不妊治療といえば、女性の方に目にが行きがち。
多くの男性は、不妊に対してあまり当事者意識を持たず、行動も起こしていない。
ところが、WHOによると、不妊原因の48%は男性側に原因があるという。

男性側も、妊活に積極できるようにという想いから開発されたのが【Seem】。
自宅にいながらスマホでできる精子の簡易チェッカーである。

スマホでできる、精子セルフチェック 『Seem』 【iPhoneアプリ専用キット】




必要なのは、スマホアプリとキットだけ!


詳細な使い方とか機能については「Seem」の公式ウェブサイトに譲るが、
公式サイトによるとSeemに必要なのは、アプリと専用キットだけ。

スマートフォンをつかった、精子セルフチェックアプリ。Seem
アプリと専用キットを使って精子を撮るだけで、
精子の状態を自分で確認できます。


使い方はたったの4ステップ


また、誰でも簡単に使用できるような仕様になっている。
これだけで精子濃度運動率がわかるそう。


  1. カップに精液を採取し、15分待つ
  2. 精液を混ぜる
  3. キット備え付けのスポイトで、これまた備え付けのレンズに精液をのせる
  4. レンズをスマホに乗せて、スマホアプリで撮影する



使い方は4ステップ(公式サイトより)


ちなみに、WHO(※)によると、精子濃度総運動率には下限基準値が設けられている。

※WHO laboratory manual for the Examination and processing of human semen FIFTH EDITION (日本語版はこちら)


精子濃度 1500万個 / mL
総運動率 40 %

ということらしい。
キットを利用されるかたはご参考までに。


カンヌライオンズ2017 モバイル部門でグランプリを受賞!


こちら、日本企業、リクルートライフスタイル発の製品というが、
【カンヌライオンズ2017】のモバイル部門におけるグランプリを受賞している。

最後に、Youtube にて公開されている
The Family Way」という動画が素晴らしいので共有。




そのほか、2016のグッドデザイン賞なんかも受賞している。

さすがそれだけあってデザイン性や見た目なんかには
本当に細部までこだわっているな、と感じる。



タブーの啓発と、「広告力」


不妊治療とかって、多分タブーの代表だと思う。

実は社会的にとっても問題だけど、当事者としては当然知られたくないし、
知ってしまった第三者は何か触れにくい。

「ご結婚されるのですね!!お子さんはいつ頃つくられるご予定ですか?」
「いやーそれがね、不妊治療で悩んでて...」

なんてことは到底言えない。。ですよね。



こうしたタブーに対してうまく訴求していくのが、広告力。
クリエイティブの力である。

世の中でタブー視されている問題をいかに啓発するのかって方法は、
いくつかあると思うが、その1つがこれなんだろうな。

(ちなみに筆者は、タブーへ足へ踏み入れる武器として"アイロニー"がとてもいいと思う。
 これについてはまたどこか別の記事で。)


Seemのうまいところ


今回紹介したSeemは第一に、【共感性】という点に訴求している。
先ほどの動画なんかは、エモーションの部分に対して徹底的に、美しく、こだわっている。

そしてSeemが成功しているなと感じる2点目は、【やらしくないこと】

どうしても、性なんんかに関する製品を扱う時って、
なんとなく、「怪しい」とか、
その界隈の製品だけが持つ独特の雰囲気があって、
「あーー、これね。」
みたいな、、そうな印象を抱いてしまいませんか。


ところが、Seemのキットを見てみると、そうではない。
このパッケージデザインならおそらく
コンビニやスーパーマーケットに並んでいても、平気で手に取れる。

(製品自体はAmazonから購入できるので、
 その意味でレジに並ぶ羞恥心はデザイン以外の点から回避できるが...)

ちなみに、運動率までは解析してくれないけれども、
同じように精子を観察できるキットがTENGAなんかから発売されているけれども、
こうした製品はやはり、Amazonでもアダルト製品に分類されてしまっていた。
(価格はこちらの方が断然安かった。)


まとめ


今回ご紹介した【Seem】に限らず、自宅でいろんな検査ができるようになってきている。
医療に関連する科学技術(ヘルステック)が一般市民にまで
おりてきている感じがここ数年でものすごい。

遺伝子検査しかり、遠隔診療しかり。。

あと数年経ったらきっと、こうした技術はきっと、
もっともっと民主化されているのだろう。

筆者もなるだけテクノロジーにはアンテナを張っていたい。
テクノロジーの進み具合を肌で体験するためにも、
こうした技術は一度使ってみるのがいいのかもしれない。



スマホでできる、精子セルフチェック 『Seem』 【iPhoneアプリ専用キット】






※なお、Seemはあくまでも「簡易測定ツール」であり、
確定診断をするものでもなければ、当然医療機器でもない。
ご使用になれれる方はその点に注意し、必要に応じて適切な医療機関を受診することが推奨される。



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参考文献

World Health Organization reference values for human semen characteristics

Human Reproduction Update, Volume 16, Issue 3, 1 January 2010, Pages 231–245,https://doi.org/10.1093/humupd/dmp048


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参考URL

<Seemについて>
次のURLを参考にさせていただきました。
・「Seem」公式サイト
https://seem.life/

・カンヌライオンズ2017での受賞に関するプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000559.000011414.html

・「ヒト精液検査と手技」WHO・ラボマニュアル 5 版 翻訳
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/44261/4/9789241547789_jpn.pdf