2019年1月4日金曜日

2018年の振り返り①:読書

2018年の読書 振り返り


今年もやります!
2017は年末企画として一年間の読書記録を振り返ったのだけれど、今回は年末多忙でできなかったので、年始一発目の投稿としてみました。

やっぱり趣味として、読書は好きなんだと思う。
それほど多読家というわけではないのだけれど。マイペースに。

ではまず、全体的な読書量の振り返りを。



2018年の読書:全体所感


2016年からマメに読書冊数を記録してきて今年で三年目。
これまでと、今年の読書を振り返ると、、

2016: 69冊
2017: 55冊
2018: 59冊 (4.9 冊 / 月)

ページ数でいうと今年は16,598ページ (1,383 ページ / 月)

去年から気持ち読書量は巻き返せたものの、
2016年と比べると平均して月に約1冊も減っている。
まだまだ足りないなぁ。

一応年間100冊を目標にしているのだけれど、
5,6月あたりに毎年読書量が急降下している気がする。。
(OKR的には達成したい目標の6割って感じだからこれでいいのか...)

そんなこんなで、中だるみに注意して2019も100冊目標に駆け抜けたい。
(今年はリソース配分がしっかりできそうな気がしている)


ベストオブ2018書籍の紹介


去年は部門を5つ作って、各部門で1冊紹介したのだけれど、
今年は以下3つの部門からベストオブ2018を3冊づつ紹介する形にします。
(ジャンルについては筆者の気まぐれ。)

各部門でランク付けもしてみる。
なお、評価基準もやはり筆者の気まぐれ。読んでから1年たっている本もあるので、59冊の中でより印象に残っている本がランクインするイメージです。

そしてもう一つ、これはあくまで2018年に「筆者が読んだ本」出会って、「2018年に出版された本」ではないことに注意されたい。


A. 医療・ヘルスケア部門
B. 小説部門
C. 番外編

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A. 医療・ヘルスケア部門


1位 『ビジョナリーであるということ


難易度  :★★★☆☆ (低いほど読みやすい)
オススメ度:★★★★★



これは実は2014くらいにちょい読みしてて、多忙さ理由に途中で一回あきらめていた本。
インドに実在する「アラヴィンド(アラヒンド、オーロヒンドなど)眼科病院」と呼ばれる世界でも稀な形のビジネスモデルをとった病院のお話。医療界においてBOPビジネスを確立してインド国内中に拡大していくまでの話がメインなのだけれど、この病院の設立者ドクターVが本当に素晴らしい志を持っている。


改めて読みなおしたら、めちゃくちゃいい。
読み終えた当初の感想は以下のように書いてある。



4年ほど前にアラヴィンド病院のケーススタディについて勉強して以来、ずっと積読にしてきた本。ドクターVのビジョンについては今よんでもやっぱり心が揺れる。志がここまで世の中を動かすことができると教えてくれるバイブル。刺激をたくさんもらいました

ハーバードビジネススクールのケーススタディなんかにもなっていたりしているこの病院、いろいろ学ぶことができました。



2位 『遺伝子医療革命 ゲノム科学がわたしたちを変える


難易度  :★★★★☆
オススメ度:★★★★★



こちらも名著。2018に出会ってよかった本。
出版されたのは5年くらい前だけれど、バイオテクノロジーがどのように医療の世界にメスを入れこむかを秀逸に考察しているなぁという印象。エビデンスにちゃんと基づいてお話ししている点も素敵。ただ、サイエンスちゃんとやっていないとこれは読みにくいと思う。わりと専門的な知識とかが必要。
読み終えた当初の感想は以下のように書いてある。

めちゃくちゃいい本。読んでよかった。 これだけの本は年一冊出会うか出会わないかだ。 ちゃんとサイエンスを語ってくれている上で患者さんにそれがどうやって還元されていくかとか、社会にそれがどんな影響を与えるかとかが多面的に描写されている。 個人的にコリンズの博学さは本当にすごいと思ったし、彼の野心もまたとてもおおきい。ぜひ会って話してみたい人だ。


3位 『各界トップが取り組む 世界の健康・医療市場 躍進するシナリオとは? (東京大学 医学・工学・薬学専門連続講座)


難易度  :★★★★☆
オススメ度:★★★★☆



この本がある人をそもそも知っている人がほとんどいないんじゃなかな。
東京大学薬学系研究科が冬にかけて毎年主催している社会人向け講座のシリーズを言語化している作品がこちら。毎回本当にすごい人たちがお話しをしてくれる。本当してはやや教科書チックで、手に取ると味気なさを感じる人も多い気がする。けれど、書いてある内容はぴかいちです。

本になる頃には価値が半減するような情報もたくさんあるので、やはり生の出張講座を聞いておきたいところ。

PBIでの講義シリーズを言語化したもの。 様々なステークホルダーがそれぞれの立場から的確に現代のヘルスケアトレンドを語ってくれる。 トップランナーのお話を聞けるこの場は本当に貴重だったなぁ。やっぱり新鮮な情報を新鮮なうちに取り入れておきたい。本になる前に。



B. 小説部門


1位 『本日は、お日柄もよく (徳間文庫)


よみやすさ:★★☆☆☆ (主観、多めです。)
オススメ度:★★★★★




この本は、多分2018年に読んだ本の中で一番印象に残っているし、一番好きな作品。読み終えたのが5月で、その時の感想からすでに、ベストオブ2018にノミネートされていたようです。(笑) 間違いなく多大なる影響を受けました。
スピーチライターという割とマイナーな職の人のお話しなのだけれど、「言葉」に載せられる魂とかがよくわかる。


とあるプレゼンテーションの機会ではこの本の中の言葉を使ってしまったくらいです。とてもおすすめ。


ようやく手に取れた一冊。2018of the bestかもしれない。借りたのだけれど、買っちゃおうか考える。。「言葉」のもつ力と同時に、その無力さも教えてくれる。原田さんシリーズでは短編も含めると三作目になるけど、好きだなぁ。もっとこの人の本読んでみたい。


2位 『プラチナデータ (幻冬舎文庫)


よみやすさ:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆




おそらく、2018で読んだ東野作品はこれ唯一。


毎年2,3冊読んでいたので、今年はほかにリソースが振れたんだな。プラチナデータは期待を上回る形で締めてくれたミステリで、心地よくだまされた感じがなんとも爽快だった。(決してMではない。)読後はどうやら、「大城いと感じる一般法則」みたいなのをメモしている。。逃げるシーンがあったからかな。


って、レビュー書いていると、沈黙のパレードを読みたくなった。

久々の東野圭吾!すっごく読後感が清々しい。東野さん、こんなにきれいに収束させる人だっけ。でもたしか『秘密』も収束のさせ方はすごくきれいだったかも。これは本当に面白かったなぁ。 読んでてなんとなく脳裏によぎったのは、①逃げるスリルは面白さを感じる②敵だけど見方っていうinverse構造は面白さを感じる。以上、面白いの一般則を見出したのでした。



3位 『彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)


よみやすさ:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆



ひょっこりであって、しれっと買った本。にしては割と衝撃で、沼田さんの世界観に驚いた覚えがある。読後の感想にも書いたけれど、この本はまさにラストを読むためにあるのだと思う。よみやすさを4にしてあるのは、なんだかもう一度読んでみないと原落ちしない気がしていて、そのためです。表現が難しいのですが、アカデミー賞作品って感じがします。

久しぶりにこういう生々しい描写の含まれた本を読んだ気がする。沼田さんの描写は本当に独特だけど、美しさ(?)を感じる。なんだか村上春樹を想起させるような。なんだろう。ラストがほんといいんだろうな。この本は最後を読むためにある気がする

こちら、そういえば2018に映画化もされたみたいですね。





C. 番外編


1位 『ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由


よみやすさ:★★★☆☆
オススメ度:★★★★★



2018ベストを挙げてと言われたら、この一冊も外せない。どういうジャンルなのか、わからないので番外編へ。こういうのはビジネス書なのだろうか?


いずれにせよ、未来食堂という神保町にあるこじんまりとした定食屋さんの壮絶な志のお話。IBMやクックパッドなどのIT系会社でのエンジニア経験を通して独立された方が一人で店主をやっている。

コンセプトやそれに伴うシステムがすごく面白い。学ぶとこたくさんある。


すーーーーごい読んでよかった。気にはなっていたけど、ここに行けてないお店だけど、これはもう行くしかない。せかいさんの考える世界観が本当に素晴らしい。たくさん学べるところもあったし、いいなと思うところがあった。エンジニアが背景にあるのも納得な一冊でした。


2位 『ボクたちはみんな大人になれなかった (新潮文庫)


よみやすさ:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆




こちら、年末に読み終えたので、もしかしたら新鮮さというバイアスがかかっているかもしれないと思って番外編へ。ジャンル的にはたぶん、、恋愛小説かな。言葉にされにくいような感情だとか、世界観が出てきているようにも見えるのがまずいいとこ一つ目。なんといってもこれ。言葉の使い方が本当に卓越でした。 そしてあと、バブルの時代を見事に現代とマッチさせて絶妙に登場させているのもいい。


こーーーれ。時間の跳躍が激しい分ちょっとだけとっつきにくかったけど、最後30-40ページらへんですっごく上手にいろいろ回収されていく。(時間跳躍は佐藤正午作品にどことなく似ている印象を持った)好き嫌い別れるきがするけど、個人的にはすっごく刺さる言葉があったし、読後感が震える感じがした。いい作品だ。もう一度読みたい。


3位 『何者 (新潮文庫)


難易度  :★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆




この本をきっかけに、自分の将来の進路を結構考えるようになった気がする。それを受けて、『シューカツ! (文春文庫)』『仕事。』など、どんぴしゃり働く系の本も読むようになった。(2019も一冊目は働くことについての本を読んだ。)同期からはかなり出遅れているけれど、博士をとって社会に出るまでうまくいけばあと2年。自分が今後どう生きるのかしっかり考える一年にしたいなと思う、2019年です。

Twitterをうまく使った、現代感とスリルのある作品。生々しさのある個人の感情が会話の流れの中で露呈してくる感じとかはこの人ならではだなぁって思った。【就活】を通して【生き方】を考えさせられるいい作品。最後、きっといつかくるだろうなぁって匂わせておいた主人公のやばさがうまいこと回収されている。さすが直木賞受賞作というところ。あと、こういう作品って、実は終わりの終わりが難しい。



まとめ


59冊読んだ中の9冊も紹介してきてしまった。。
上位2割弱を紹介してきたわけで、個人的にはこの辺を紹介できたので割と満足している。(あと3冊くらいおすすめ本は出会えた。)

2017の読書を振り返っていた時は、、
正直2017年読んだ本の中でめちゃくちゃインパクトが大きかった本は そんなに多くなかったなぁっていう印象。
とまあ、あまり実のある読書をしていなかったか、あまり実のある本との出会いをできなかったのかでそれほど充実してなさげでした。


一方、2018を振り返ると、とてもいい本に出会えた気がしています。読みたい本は積もっていくばかりですが、2019も無理しないペースで読書つづけて、一冊でも素敵な本と出合えたらいいなと思っています。

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参考URL
<筆者の読書データについて>
https://bookmeter.com/users/648747/summary/yearly
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